music: June 2010 Archives

The d.e.p.

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d.e.p. は "doggie eels project" の略。doggie eel=うなぎ犬=ありえない組み合わせにより突然変異的にできてしまったモノと言うニュアンス。

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突然の The d.e.p. 再始動!
それ自体はとても嬉しい。何年経って再会しても必ず楽しいメンバー。なのだけど、今回は気持ちが複雑だ。

再始動の理由は、オリジナル・メンバー、ベースのミック・カーン(Mick Karn、ex.JAPAN)の癌の発病。
http://www.mickkarn.net/ (HPから援助ができます。是非お願いします)

PLASTICSで出演した 6/5 頂フェスの日の朝方のニュースで知った。一日心が激しく揺らいだ。屋敷豪太と何か援助できることは無いだろうか、と話し。その場で豪太君が土屋昌巳に連絡。

数日後3人で会い、僕らに何ができるかを話し合った。
ならば同じバンドのメンバーとして The d.e.p. としてやろう。と言い出してくれたのは土屋君だった。感動した。泣きそうなほど嬉しかった。

ビビアン・スーにすぐ連絡を取ろう!とあちこち連絡網を駆使し、幸い連絡が着いた。
運良くビビアンが来週には日本に来ると言う。

その日、レコーディングの現場を早抜けしみんなに会いに行く。
数年振り(多分7年?)の出会い。でもその時間差など何も感じさせない再会。
こんなチャンスをミックが作ってくれた。嬉しさとセツナサが同居する瞬間。

とりとめも無く話し、とにかく再会を喜び、一緒にまた音楽をできることを素直に喜ぶ。
いいバンドだったなぁ、と改めて思い返す。とにかく温かいバンドだったことを。そして、こんなに仲が良かったバンドを経験したことは無かったことも思い出す。もちろんミックも含めて。本当に家族の様な温かさにいつも包まれていた。

そんなバンドが特殊な事情・目的とは言え再始動できた。
今日、制作を開始した。土屋君がミックに送る素晴らしい歌を作ってくれた。僕もビビアンに歌ってもらう歌を一曲。

早くこの音をミックに届けたい。そしていつか必ずまた参加してもらいたい、と切に願う。

We love you, Mick!!

CircularToneRecords.jpgのサムネール画像

その思いつきは突然に突拍子もなく訪れた。
「レコード会社を始めてみよう!」
ごく自然に思いついた。

レコード会社などと書くと僕の様な世代の人間にとっては社会的にも会社規模も含め到底個人レベルの力などでは始めようの無い一大事業に思ってしまうのだが、ふと周りを見渡してみればそんな考えはもはや過去の妄想なのかも知れないと気づく。

小さな小さなレコード会社を始めてみよう。
世間の常識からかけ離れていようが、経済原則から外れていようが、何考えてるんだと後ろ指を指されようが、アーティストを信じ彼らの・自分の持つ、創造・創作への情熱と自由を守ることなら最低限できそうだ。
誰も自分達の音楽を掬ってくれない守ってくれないなら自分達で創ればいい。

音楽業界の中で35年も働き続けて来て、今頃になってやっとこんな単純な子供じみた答えに辿り着く。

自分の半生を振り返ってみる。
果たして僕は・彼らは音楽家として自由にのびのびといつでも音楽に向き合い創作して来ることができたのだろうか。残念ながら答えは否だ。
僕の仕事は音楽と言う産業の中にある。経済原則の上に乗った産業である。すると音楽とは金銭的価値を産み出すことのできる芸術活動だけを指すこととなる。その中ではもはや音楽の本来持つ自由、自由な創作その自由な表現すら制約されざるを得ない。それ自体は決して悪では無い。間違ってはいない。経済的活動だからだ。

でも自分自身自由な立場の音楽家として自分の活動を思い返してみると、それほど自由では無かったなと思う。

経済原則の上に無い音楽活動と言うモノを想定してみる。
とりあえず著作権だ何だと言うヤヤコシイ事項も度外視してみる。単純化するために。
まず自分の思う「いい音楽」をひたすら作る。発表の場を考え自由に発表する。
なるほど簡単だ。いつでもCDを作れる。毎日でもネットにアップロードすることだって出来る。ライブもできる。何でもできる。そう、とても簡単に。

「お金にならないだけだ」

いつの間にか音楽にはお金が付き物(いや憑き物?)になってしまった。
お金になることを前提としている音楽活動がある。先にも書いたようにそのこと自体を間違いとは思わないが、前提にされていることにちょっと違和感を感じる。

音楽の価値は決して金銭では無い。そんな当たり前の恥ずかしい様なセリフだが、その理想を現実のものとしながら音楽活動をしているレコード会社を見たことは無い。
ならばそんな発想のままスタートしてみよう。

この春に偶然、そう全くの偶然の上で4つのバンドが出会い一緒に関西ツアーを行った。たった3日間ではあったが、そこで得た刺激・感動は計り知れないほど大きなものだった。

Cojok
hachi
タイフーン・ミニスターズ
そして unsuspected monogram

言わばどこにも引き取り手もいないような音楽家達。でもこの上なく出色の音楽達。4つとも全く違う音楽性なのにどういうわけだか強く惹き合えた。

この4バンドでレーベルにすることができたら、と思いついた。
素晴らしいアイデアだなと興奮した。みんなで助け合いながらみんなが自由に音楽活動を続けていけたら。
今は誰もその音楽でお金など得られない。でもそんなことは後から付いてくればいい。

レコード会社を始めよう。
僕らの作り出す音がいつまでも永遠に循環できる様に『CircularTone records』と名付けた。


2010年6月
レコード・プロデューサー
CircularTone records 代表 佐久間正英