ECの思い出

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昨夜コンパスポイントスタジオの事を書いてエリック・クラプトンを思いだしたので記しておこう。

当時PLASTICSの僕以外のメンバーは「クラプトンて誰?」なくらいロックレジェンドには無知だったけれど、ともかく偶然クラプトンご一行様とレコーディング期間中一緒だった。(当初の予定ではポール・マッカートニーと一緒になるとの噂だったので、それと比べれば「クラプトンて誰?」である)

確か「Another Ticket」として後に発売されたアルバムのレコーディングだった。

いくつかの思い出が。

*見るからに上品なイギリス紳士だったこと。

*そのくせスタジオ・ロビーのサッカーゲームには熱くなること。
(PLASTICSはいつも敗戦)

*朝早くから一人でスタジオでTR-808のプログラミングをしていると後ろの壁にもたれて腕組みをし無言でずっと僕の作業を見つめていたこと。何を思っていたのだろう。質問をされたことは確か一度も無かったけどいつも見に来ていた。

*当時PLASTICSのローディだったNobumasa Uchida君がクラプトンに気に入られスカウトされかかった事。

*クラプトンの歴代のギターがずらっと並んだスタジオ・ロビー。片っ端から弾かせてもらったこと。もちろんあのブラッキーも。サイケペイントのSGも。

*クラプトンのアンプ(当時はMusicman)を勝手にレコーディングで使ったこと。
(プロデューサーのアレックスが「使っちゃおう〜!」と)

*そして…当時お世辞にもギターは上手とは言えなかったこと。
 ある日デビッド・クロスビー(だっだと思う)がスタジオを訪れクラプトンにアコギでフレーズを教えていた。多分彼の曲を伝えてる様子。ぶきっちょにたどたどしくクラプトンが何度も教わっていた。横でその様を見ながら「あらあら…」と思ったものだ。

*そして一番の思い出。
 ある朝スタジオに着くとクラプトンのスタジオから聞き慣れたギターの音がして来た。「もう誰か来てるのかな?」と覗くと、ピッグノーズのアンプでクラプトンが一人練習中。その音はまぎれもなく、あのEric Claptonの音だった。ピッグノーズから出ているとは到底思えない音だった。そして素晴らしいプレイだった。
 目から鱗だった。ひとつは前日までちょっと舐めていた(?)クラプトンのギターの底力。
 そして何よりも、音はギターやアンプでは無くその人本人から出て来ることを初めて知れたことだ。

ともかく。あの時のコンパスポイントでの日々は後の自分の音楽人生を大きく変えた。
TR-808との孤軍格闘。クラプトンのギター。終焉に向かい始めたPLASTICS。

そして僕のその後にとっての最大の出来事、プロデューサー:アレックス・サドキンとの出会い。初めて「プロデュースすることとは…」の本質を知ることができた日々。

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This page contains a single entry by masahide sakuma published on April 5, 2012 11:16 AM.

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